「バフェットとソロス勝利の投資学 最強の投資家に共通する23の習慣」を読みました。
この本は、アメリカを代表する二人の偉大な投資家の共通する、投資に成功するための知的習慣を紹介しています。面白いのは、二人の投資スタイルが対局に位置していることです。つまりタイトルからも分かるように、投資に成功するための秘訣は技術自体よりも習慣だということです。
僕は、この本で紹介されている知的習慣は、投資に限らずあらゆるビジネスで役に立つのではないかと思いました。
今回は、23の知的習慣から、個人的に印象的だった3つの習慣について紹介します。
1:能動的にリスクを回避する
2:分散なんて小鳥さんのやることだ
3:自分に理解できるものだけ投資する
まず、リスク回避的であるということ。これは、金持ち父さん貧乏父さんシリーズの本にも書いてあったかと思うのですが、投資家や実業家はむしろリスク回避的だそうです。そう言えば、アダム・グラントさんの「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代」にもGoogle創業者のエピソードを交えて似たようなことが書いてあったように思います。
ビジネスの成功者といえば、ハイリスク・ハイリターンを狙って平気で高いレバレッジをかける、ドーパミン中毒のような人を想像するかもしれませんが、実はリスク回避的だそうです。そのため、まずは元本を守ることを第一に考えます。
リスク回避のためには、知識と経験を積み、自分のやっていることに対する理解度を高めることが肝要です。バフェットも、「リスクは自分のやっていることを理解できないことで生じる」と言っています。つまり、他人から見ればハイリスクな行為でも、理解している本人からすればリスクを回避できているということですね。そうなると、リスク回避的であるというよりも、むしろリスク管理に優れていると言った方が正確かもしれません。
二つ目は、分散投資をしないということ。
投資について学ぶと必ず、投資先を分散することを勧める意見に遭遇するのではないでしょうか。
債権は長期と短期。株は互いに影響しないあれとこれとそれ。投資信託は世界株と米国株とあの国この国。不動産。金。などなど。出来上がったポートフォリオはしっかり管理してくださいね、と。
金融を生業としている人ならいざ知らず、忙しいビジネスマンには難しいのではないでしょうか。
少なくとも僕には無理だと感じていたため、今回は随分と安心しました。
さて、分散しない理由は簡単です。ざっくり言うと、時間やリソース、エネルギーを集中させるためです。これは先のリスク管理にも通じるのではないでしょうか。つまり、過度な分散は管理を難しくするという意味で、むしろリスクをとっているといえるのです。
そういえば、「エッセンシャル思考」という本も一点集中の大切さを説いていました。
最後は、自分に理解できるものにだけ投資すると言うこと。これも先のリスク回避におけるバフェットの言葉に通じますね。
「リスクは自分のやっていることを理解できないことで生じる」
だとすると、優れた投資家にとっては、自分が理解できないビジネスに投資することなど論外ということです。
そもそも、たとえバフェットやソロスのような偉大な投資家であっても、彼らの投資対象は株式市場の大海における極々僅かな領域でしかないのです。
僕はいつも、なになにの株が上がっているというニュースを見ると、自分が遅れてしまっているように感じていました。最近でいえば半導体ですか。でも、そんなこと気にする必要はないということですね。
自分の投資を理解する。
ひいては、自分のビジネスを理解する。
これが何よりも大切だということですね。
今回は23の習慣における、たったの3つしか紹介できませんでしたが、どの習慣も役に立つと思いますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。